2018-01-01から1年間の記事一覧

陽が落ちてくるのを、肌で感じる。畳に頰をつけて1日寝そべっているので、あとが付いて痛い。だらしなく伸ばした腕に射していた光が消えて暗くなっていく。痣が見えなくなっていく。紫色のそれが薄くなっていくと、もうわたしに興味なくなったのかなと不安に…

きみへ

助けてください、と書かれたノートの切れ端がぼくの机に入っていた。細く弱々しい字は読むだけで、ぽきりと折れてしまいそうな気がして恐ろしかった。なんだか、こちらまで心細くなってきた。だれが入れたのだろう。昼休みの騒がしい教室を細目で見渡す。女…

ワンピース着て中指たてて

可愛くないと許されない気がする。可愛くないから許されていない気がする。着れない洋服できない化粧いけない場所。気持ち悪いほど女の子に執着する日々がいつか燃えて消えればいい。SNSで見かける安易な全肯定にも自分は当てはまらない気がする。自分だけは…

他人の幸福を暴力に感じる自分はおかしいのかもしれない。傷ついて傷ついてそれでも欲しいものがほんとうに欲しいものだと思ってもいいですか。手に入らなくても。無傷のままほしいものが手に入れられるなんて最初から思ってなかった。他人から否定される気…

弔い

死にたい気持ちを埋葬して、わたしだけは毎年墓参りができたらいい。これでもくらえ、という気持ちで書いて、殴り返されたり、ぜんぜん届かなかったり、正論だけを武器にした人間に嘲笑されたりする。格好つけたいだけなら作ることなんて今すぐやめたほうが…

本当のことを言わなくなった。自分の話なんて誰も興味がないことは幼い頃から日々の食卓で言葉なく教育されていて、わたしの腹のなかは堕胎した言葉の墓場だ。ただ、興味のない話は受け入れなきゃ怒られる教育も同時におこなわれていて、わたしはわたしを形…

泥と熱

すれ違うと、長谷川からはいつも土の匂いがする。僕は静かに息を飲む。肩がぶつかって、悪りぃと声をかけられただけで、喉が焼けつくように熱くなって声は引っ込んだまま出てこなかった。 「感じわる」 長谷川の隣にいるやつが僕を睨んだ。長谷川は一瞬だけ…

おわり

もうあの人との子供は産めないんだな。結婚できたとしても一生添い遂げることは無理だと思ってたけどあの人との子供なら育てられると思ったんだけどな。この気持ちは見ず知らずのひとに否定されるものかもしれないけれど、わたしの大切はもうすでにぼろぼろ…

自分の作品を幸せにしてあげたい。自分の作品を幸せにするために、自分の作品と結婚したい。

年末からずっと死にたいとだけ思いながら布団に包まって息をしていたから、年が変わって、なにがめでたいのかよくわからない。年が明けてもわたしがわたしである限り、わたしの業は剥がれないのだから、簡単に生まれ変わったりなどしない。それでもいつまで…